近頃のThyatisは騒がしくなっている。最近になってから、普段から傲慢で横柄であったThyatis海軍と陸軍の兵士や船乗り達がますます増長してきた。半分はThyatis、残り半分はAlphatiaが支配し、不穏状態にあるthe
Isle of Dawnにおいて、非番のThyatis兵士が、同じく非番のAlphatia兵士に対して普段以上に挑発的になった。
同時期、Thyatisの軍艦が非同盟国の船と緊張状態になり、Norwoldや他のAlphatia領内からの商船に対する海賊行為を非難された。
一方Thyatis Cityでは、剣闘士の祝典がいつにも増して華やかに行われ、パーティや祭りも普段以上に盛り上がった。それはとても楽しいものであった。ある春の日を境に、総てが悪い方へと進むまでは…。
その日、Thyatis Cityで大暴動が起こった。下流階級の人々はここ数ヶ月の間、Thyatis Cityの無料配給のパンの質が日増しに悪くなっているのを目の当たりにしてきた。無料配給のパンはThyatis Cityの貧民数千人の生命線であった。しかし、パンの大きさが半分になった上、そのパンは生焼けで蛆が涌いていた。最終的に下流階級の人々は暴動を起こし、剣闘士の試合が行われている闘技場の1つを襲撃した。
問題な事に、Thyatisの都市駐在軍は訓練が不十分な上、指揮系統も不完全であった(そのため暴動を鎮圧する事ができなかった)。暴動を鎮めるために、Thyatis
Cityから遙かに離れた地から軍隊が集められ、最終的に何とか鎮圧する事ができた。
数週間にわたり、そのスキャンダルは尾ひれを付けて広まり続けた。それは、無料配給のパンの費用が何人かの元老院議員達による夜毎の饗宴に流用されている、というものになった。加えて多くのThyatisの役人達が職務怠慢や無能を非難され、とりわけその中に、危険なzzonga
fruitの中毒者が現れた。そのような者は処刑された。
このような者達の多くは横領、収賄、汚職の罪に問われたが、刑務所を脱出し国外へ逃亡した。その中には外国国籍の愛人の元に逃げた者もいた。後にThyatisの刑務所の調査が行われ、汚職が広まっている事が明らかになった。何十人もの刑務所関係の看守や士官が処刑された。
Thyatis陸軍が普段より傲慢で横柄になってきたちょうどその時、Alphatiaのmagic userも同じように変わっていた。他の国へ旅行するAlphatiaの旅行者は魔力の優越を立証するための決闘を行っていた。それは特にGlantriのspellcasterに対して行われた。これらの決闘は時々死者を出した。Alphatiaの支配地域にいたキャラクターは、これが単なる熱狂以上の事である事に気付くであろう。Alphatia至上主義は以前よりもますます盛んになっていて、それは帝国全土に広まっているように見える…。しかしその発端は解っていない。
10年前、Troikithusと呼ばれるAlphatiaのelfがEmpress
Eriadnaに忠誠を誓い、スパイとしてGlantriを旅していた。the
Grand Duchy of Karameikos出身のelfだと偽り、Ellerovyn氏族のelfに取り入り、magicを学ぶ熱心で優れた生徒としての地位を確立した。
最近になって彼は今まで知られていなかったmagicの種類(Radiance)について研究するmagician達の極秘命令の証拠を掴んだ。また、Glantriの支配者の中にEntropyの信奉者がいるとの噂も耳にした。彼は女帝に報告書を送り、彼が知った事の総てを述べ、より詳しい調査を約束した。1週間後、Glantri
Cityの運河にTroikithusの水死体が発見された。
Glantriの公子達は評判の殺害されたelfの身元を調べ、彼が仮の姿をしたAlphatiaのelfである事(つまりスパイである事)を突きとめた。Alphatiaは彼がスパイである事を否定し、Glantriが積年に渡りAlphatianを軽蔑する故に彼は身分を偽ったのだと述べた。Empress
Eriadnaは明らかに彼が謀殺された事について抗議した。しかしAlphatia、Glantri共に問題を追求する為の証拠に欠いていた。
the Alphatia Council of WizardsはEmpress Eriadnaによって書かれ、承認を受けた文書を布告した。それによると、「AlphatiaのwizardはEntropic Immortalの信奉者を匿い、禁止された邪悪なspellを使用しているGlantriのThe Glantrian Great School of
Magicを非難する。」というものであった。
それに対しGlantriの他のprince達を代表してEtienne d'Ambrevilleは楽しむように返答した。「この国ではあらゆる哲学のclericを禁じている。それ故にEntropyに限らず他のどのImmortalの信奉者も存在しない。」と。
d'Ambrevilleはまた、「Glantriではあらゆる種類のmagicの研究を禁じていはいない。従って「禁呪」などというものはこの国には存在しない。例え存在したとしても、Glantriのwizardが何を研究するかは彼ら自身の権利である。我々が何をしてもしなくても、それをAlphatianのwizardが指摘する権利はない。」とも指摘した。
最後にGlantrian達は「何と説明すればAlphatianが喜ぶのか?」とも付け加えた。
Glantriの英雄パーティがEtienne d'AmbrevilleからEmpress
Eriadnaへの手紙を携え、Alphatiaの首都Sundsvallを目指していた。これはGlantriにいたAlphatiaのスパイ、Troikithusを殺した者は知らないと言う手紙の続報であった。この新しい手紙にはTroikithusがAlphatiaのスパイであった事を証明するより詳しい情報が与えられていた(彼の目的はEriadnaを紛糾し、不快にさせる事であった)。
女王との謁見を待つ間、これら冒険者達はGeneral
Torenalに会った。彼はEriadnaの親衛隊長であり、Eriadnaの子供達の1人の父親でもあった。最後にその姿を確認されたのは、GlantrianとTorenalは玉座の間近くの会議室で友好的な雑談をしていた時であった。その後に何が起こったのかは解っていない。
TorenalとGlantrian達が姿を消した。翌日、Alphatianの調査団によって、意識不明になるまで酔っ払ったGlantrian達がAlphatia首都の家屋で発見された。隠れ家の証拠に基づいて(人間の一部であると解った塵、壁に残ったspellによる傷、wishのspellによって引き出したGlantrian達の記憶)、Alphatian達はGlantriの使者達がteleportでTorenalを隠れ家に連れ出し、spellで彼を殺し、死体を焼き、灰を風に乗せてばらまいたのだと結論づけた。調査団によると、Glantriの暗殺者達は成功を祝って酒を飲み始めたのだという。Eriadnaはwishのspellを使ってTorenalを復活させようとしたが失敗に終わった。しかし、その理由はわかっていない。有力な説は暗殺者達がTorenalの復活を妨げる未知のspellを用いたのだろうというものであった。
当然の事ながらEriadnaは激怒した。彼女の父である先帝TylionⅣが調査を担当し、magicによって幾つかの興味深い事実を入手した。
Glantriの暗殺者達は殺人をしていないと主張したが、この出来事についての彼らには矛盾する記憶が存在した。1つ目の記憶では彼らがTorenalと簡単に話をしていた。その時Torenalは「Eriadnaは明日まで会う事ができないので、明日また来るように」と言ったという。この記憶の中では、Glantrian達は滞在している宿に戻り、眠りに落ちた。そしてAlphatiaの調査団によって全く別の場所(例の家屋)で発見されるまで目を覚まさなかったというものである。2番目の記憶でもTorenalは明日また来るようにと言ったが、Torenalの無礼に腹を立て、採るに足らない復讐心を満たすために彼を誘拐し、殺害したのだという。
Glantrian達は自身の2つの記憶に困惑したが、自分達が冷淡な殺人者だとは思わなかったし、自分達がTorenalを殺したとは信じなかった。一方でEriadnaはGlantrian達が罪を免れるために殺人の事実を隠す目的で、何とかして作られた記憶であると考えた。Tylionはこの矛盾にとても興味を示し、Glantrian達の処刑をEriadnaに許可しなかった。
Eriadnaは詳細が解らぬまま、Glantriとの国交を断絶した。
Heldann TerritoriesからやってきたImmortal Vanyaの伝道師達がEthengar Khanatesを旅する途中に殺害された。Ethengarianはあらゆるこの事件の関与を否定したが、明らかにEthengarianの使う矢やランスによって死体に傷が付けられていた。
General Torenal暗殺容疑がかかっているGlantrian達が宮廷の地下牢を脱出し、逃走した。
Glantrianの使者が脱出してから間もなく、今度はGlantriで大事件が発生した。何人かのGlantriの貴族達(少なくとも各貴族の代表者が1人はいる)が晩餐を共にしていた時、fireballやlightning boltsやdeath spellなどの強力なmagicによる襲撃が発生した。暗殺者は明らかに高レベルのmagic-userであるが、証拠を残さずに消えたために身元はわかっていない。しかし晩餐の生存者(Prince Innocenti di Malapietra)は暗殺者がAlphatian-Styleの衣服を着ていたと証言した。
団結したGlantriの公子達はAlphatiaのEmpress Eriadnaに書状を送った。それは「Glantriの司法の手に暗殺者達を引き渡せ」というものである。これは予想された事であった。
しかしThyatisのEmperor、ThincolⅠがAlphatiaに対して断固たる抗議文を公表した事には驚かされた。その抗議文の内容は「この暗殺はGeneral Torenalの死の報復としてAlphatiaの手によって行われたのは明白である。この様な卑劣な行為によって領土を拡大する事は許さない。」というものであった。
それに対しAlphatiaのEriadnaは「我々は殺人事件に関与していない。Thyatisは自分の領土の事だけを気にすればよい。」と返答した。この出来事によりGlantriとThyatisが何らかの密約を結んでいるのは明らかであった。
宣戦布告による利益無しに、Heldannic Knightは報復略奪のためにEthengarへ向かった。憎悪に満ちた騎兵隊(lance-cavalry)がEthengarの野営地を襲撃し、無関係な男や女子供までもを虐殺した。
Alphatiaにおいて、Immortal Asteriusの寺院の多くが数日間の間に全焼した。Alphatia当局は放火犯を逮捕した。犯人はGlantrianの一団であった。
これらGlantrianはErewan氏族のelf達で、自分達がGlantriからDarokinに向かう外交使節団だと主張した。彼らは魔法によって眠らされ、延焼するAsteriusの寺院の中で目が覚めたという。しかしながらwishを使った魔法の調査により、彼らがまたこの事件に関して2つの記憶を有する事がわかった。記憶の1つでは、怪しげな外套を着た男によるAsterius寺院の放火命令を受けたと明瞭に残っていた。
Empress Eriadnaは司法による取り調べを急がせた。そしてGlantrian elf達は直ちに裁判にかけられ、死刑判決を下された。
Glantriの公子達はその裁判に異議を唱えた。しかし外交使節を直接助けようとはしなかった。
Erewan elf達がAsterius寺院放火犯として有罪判決を受けると、General Torenal殺害容疑で告訴されていたGlantriの冒険者達が宮廷の地下牢に進入し、Erewan elf達を救出した。
そしてAlphatia大陸から脱出するために、Aaslaの街に立ち寄った。この街にはAlphatia海軍空中艦隊(sky-ship armada)の母港があった。彼らはスカイ・シップを奪い彼らを脱出させると、彼らの出航を隠蔽し、追跡を遅らせるために残りのスカイ・シップに火を放った。
不幸な事に、事件に直面したAaslaのmage達は火を消す事ができず、逆に火の手は増していった。スカイ・シップの火災による驚く程大量の熱風が街から巻き上がった。そして周囲から更に大量の空気が流れ込んだ。火は燃え広がり、風は吹き込み続け、都市は地獄のように変化した。消火には数日を要し、都市は灰燼と期した(都市の人口の半分、とりわけspellcastできない市民の多くが死亡した)。
廃墟と化したAaslaの街を整理しつつ何が起こったのかを悟ったAlphatiaのEmpress Eriadnaは、Glantriに対し宣戦を布告した。
それに呼応してすぐ、the Principatities of Glantriもthe Empire of Alphatiaに対し宣戦を布告した。Glantriの小さな国力を考えると、それは冗談かと思われた。翌日になってthe Empire of ThyatisとHeldannic Knights両方がAlphatiaに対し宣戦を布告するまでは…。
これは戦争勃発を可能な限り遅らせようとしていたRadを不快にし、そしてthe Ring of Fireにとって勝利を意味していた。the Known Worldの2大国家であるAlphatiaとThyatisが今、戦争を始めたのである。
Hule(the Known Worldの最西端に位置する大平原)の支配者であるthe Desert Nomadsのthe MasterがDarokinとGlantriの西に位置する国家Sindの支配権を奪った。彼らがGlantriの味方なのか敵なのかはわかっていないが、Darokinをいつか征服しようとしていたのは確かである。
Thyatisの参戦に無警戒であったthe Empire of Alphatiaは、Glantriに対し直ちに軍を派遣する事ができなかった(Glantriに対して行動しようとする度に、ThyatisとHeldannic Knihtsが妨害するのである)。また、最も強力なsky-fleet(空中艦隊)がAaslaにおいて破壊されたため、Alphatia軍の機動力は大きく制限を受けていた。長期戦を覚悟した彼らは、Glantriに対するより厳しい侵略計画を立案した。最初に障碍となるthe Empire of Thyatisを倒し、次にthe Isle of Dawnを征服するべきだと考えた。
未だ直接にGlantriを攻撃する事ができなかったAlphatiaは、その埋め合わせの攻撃を行う事にした。彼らは制御することなくその恐怖の軍隊を侵攻させる事にしたのである。
多くのAlphatian Wizard達が秘密裡にGlantriに移動し、monsterの群れを召喚した。monsterの多くは他のプレーンから召喚されたものであった。そしてそれをGlantriに解き放ったのである。monsterはGlantriの街を暴れ回り、Glantriのwizard達はmonsterを押さえ込むのに苦労した。
不幸な事に多くのmonsterが国境を越え、SindやWendar、Darokin、the Broken Lands、the Ethengar Khanate、そしてAlfheimにさえも溢れ出ていった。
the Isle of DawnのAlphatia軍は地上戦を開始し、the Fortress of Kendachとthe Hold of Fenswatchを襲撃した。これらの要塞はWest Portageの重要な街を護っており、そこにはWest Portage造船所がありThyatis軍の分隊が戦争の準備を進めていた。
数週間をかけ、Alphatia軍は2つの要塞の動きを封じると、West Portageに大して直接軍隊を派遣した。West Portageの駐留軍は奮戦したが、ついにAlphatia軍の前に屈した。その後間もなくKendachとFenswatchも陥落した。
the Desert Nomadsのthe MasterはDarokinに対して電撃作戦を実施し、西方の守備隊を圧倒し、Darokin軍を後方に押し戻した。数週間の間に大都市であるAkesoliとAkorrosが陥落した。ちりぢりになった残りの共和国軍はDarokin Cityの防衛のために、Akorrosの東方の丘陵地帯に撤退した。防衛軍は他の軍が首都防衛をできる様に、丘陵地帯でその場を固守しようとした。
Glantriのwizard-adventurer達はAlphatiaの首都であるSundsvallへ旅立ち、そこでAlphatiaの貴族達を困らせた。貴族の荘園を爆撃し、wizardや将校達を奇襲し、通りにmonsterを召喚して解き放つ等した。
彼らの行いによる実害は些細なものであったが、この出来事はAlphatia内における戦争に対する意見を極分化した。何人かは激怒し、Glantriを懲らしめるべきだと主張し、その他の者は平和だった頃の古き良き日を思い出して憂鬱になっていた。後者の人々は、独りになって研究できるという孤立主義に賛同した。
the Grand Duchy of KarameikosのMagician's Guildの長であるTeldonは外交上の極秘任務を帯びてSundsvallへ向かっていた。そしてDuke Stefanは今後この国は「Grand Duchy」ではなく「Kingdom of Karameikos」となり、彼自身はKing
StefanⅠとなる事を公表した。
TeldonがAlphatiaと中立不可侵条約の交渉に向かった事はすぐに知れ渡った。新生Kingdom of Karameikosは古くからの同盟を破棄し、事実上この戦争においてThyatisに荷担しない事に合意した。その見返りとしてAlphatiaはKarameikosの独立と、Karameikosの首都Specularumにmagic schoolを設立する事に同意した。
この条約は戦争における大きな出来事の1つである。Duke(今はKing)
Stefanは旧友であるEmperor Thincolへの義務から完全に自由を得た、自分自身の玉座を望んでいた。Thyatis軍はAlphatiaとの戦いに係りきりであるため、Stefanは独立の戦前にこの時期を選び、ThincolはKarameikosの独立を阻止する事ができなかった(どのみちKarameikosは35年間自治権を保ってきた)。
Stefanは「AlphatiaはKarameikosがThyatisの同盟国ではない事を認める」というEmpress Eriadnaの保証を得た。StefanはThyatisが滅びると確信しており、例えEmpireが滅びたとしても彼がとった政策によってThyatisの文化が生き残る事ができる、と言う事で自身の故郷への裏切り行為を正当化した。彼はまた、the Desert Nomadsのthe Masterによる真の危険が迫っている事も理解していた。最終的にmagic schoolを設立することで、彼は近い将来国家のmagic abilityが向上する事に期待した。
条約が締結されてから数週間の間にKarameikosの精鋭部隊が組織され、Darokinの危機を救うべく西へ進軍した。行軍中、the Five Shiresからのhalfling部隊とAlfheimから小隊を加えた。
the Five ShiresとAlfheimからの部隊を加えたKarameikos軍は、the Desert Nomadsによって包囲されているDarokin Cityへ向けて行軍した。Karameikos軍はDarokin Cityの包囲を解き、the Masterの元へと押し戻す戦争に従事し始めた。数週間の後、戦線を拡大しすぎたDesert Nomadsはゆっくりと撤退を始めた。
the Desert Nomadsのthe
Masterは敗北した。彼の軍隊はSindから撤退し、現在掌握している領土の警備を厳重にした。Atzanteotlはthe
Desert
Nomadsの無能さに愛想をつかし、この事件から手を引いた。最後の足掻きとしてthe
Masterは自身を打ち負かした者達に対してcurseをかけた。
驚くべき事に、curseは直ちに致命的な効果をもたらした。僅か数日後、巨大な隕石がDarokinの北部に落下したのである。皮肉にも落下場所はDarokinとGlantriの国境のCorran
Keepであった。
落下した山脈一体は総て破壊され、直径数十マイルのクレーターができあがった。Akesoliをはじめとする最南端の街は地震により建物が倒壊する被害を受け、遙かに北にあるGlantri
Cityでも地震を感じる事ができた。GlantriのBlackstoneやCaurenzeの諸公国は荒廃し、Darokinの北方にあるLake
Amsorakも同様の被害を受けた。落下の衝撃により、幾つかの国よりも大きな粉塵が舞い上がった。粉塵は西からの季節風に乗ってGlantriの南方とDarokinの北方全体に広がり、Alfheimの中央部にまでも広がった。
直ちに多くの命が失われたが、Glantriは生き残った。しかし分厚い粉塵が何日間も留まり続け、日光を遮断した。粉塵が収まり始めると、灰が総てのものに降り注ぎ、植物を枯らし、飲み水を汚染した。粉塵と灰は両国の農作物に大災害を与え、収穫に大被害をもたらし、冬に大飢饉が起きる事が予想された。Glantriの人々は、この事件はAlphatiaの攻撃によるものであると信じていた(Glantrian達はAlphatiaに賠償させるために、どちらかが倒れるまで戦わなければならないと誓いを立てた)。
秋の訪れと共に、Canolbarthの森の木々が薄黒くなり、捻れ、不吉な様相を示し始めた。Alfheimのelf達は、「灰からの落下物が影響しているのでは」と推測する以外は、全く見当がつかず困惑していた。原因は何であれ彼らにそれを阻止する事ができなかった。そして森林はますますエルフ達にとって荒廃した土地へと変わっていった。
Rockhomeのdwarf達はうんざりしていた。世界が破滅へと向かっている事は明らかであり、彼らは共に破滅する事を望んでいるわけではなかった。
King Everastは非常事態宣言を出し、「より深く」へ全dwarfが移動するように命令した。Rockhomeのdwarf達は2週間の内により深い洞窟内の安全な場所(洞窟都市やその他の地下共同体)に閉じこもった。dwarf達の家具や財宝は総て安全な地下貯蔵庫に隠され、地表の居住地は総て四壁ただ立つのみとなった。Rockhomeは事実上、Mystara表面からその姿を消してしまったのである。
Heldannic Knightsの残忍な侵略を度々受けていて、その上Darokinからの息苦しい黒雲によって東方へ追いやられていたthe Great Khan of Ethengarの人々は、Heldann Territoriesへの侵略を始めた。彼らは真っ直ぐに首都Freiburgへと進軍し、その地を包囲した。
the Isle of Dawn上のAlphatia軍は島の中央部を確保しようと試み、Redstone Castleにその注意を向けた。
Thyatisは軍の殆どをthe Isle of
Dawnに向けていたので、若くて大胆なemirはThyatisの騒動につけ込む事にした。
Al-Kalimの思想である「Desert
Garden」の狂信者達は、月明かりの下でthe Altan Tepes
mountainsを横切ってThyatis北部に進入した。そして全く予期されなかったために無防備であったFort
Nikosを攻撃した。数的な不利を悟ったThyatisの司令官は降伏したため、どちらの側にも死者は出なかった。翌日Ylariはthe
Barony of Biazzanの首都であるBiazzanの町を襲撃した(Biazzan政府はまたもや殺されるよりも降伏する道を選んだ)。
Thyatisは今や新たな敵に直面した。それはYlaruam軍であり、既にThyatis国内に進入しているのである。Thyatisは新たな脅威に対抗するため、予備軍を召集し、the
Isle of Dawnの軍を呼び戻す必要があった。
the Heldann Territoriesにおいて、Freiburgの町は未だに包囲下にあった。the Golden Khanの軍隊はHeldann Territoriesに殺到し続けた。そして略奪できる地を求めて、国境を越えてVestlandやSoderfjordにも流れ込んだ。
Heldannic KnightとEmpire of Thyatisは共にGlantriの守護者であったが、今までは正式な同盟が結ばれていたわけではなかった。そしてこの春、彼らは正式な同盟を締結した。これはYlaruamを警戒しての事で、もしEmiratesがThyatisに対して動きを見せれば、海を経由して北と南から攻撃できるからである。これはEthengarian達に、Alphatiaとの戦争が終わればThyatisが新たな敵として立ちはだかる可能性があると警戒させる事にもなった。
Broken Landsの高名な指導者であるTharは人間の国家は混乱していて、現在活動すれば大きな利益をもぎ取る事ができると判断した。そこで彼はより大きなhumanoidの群れを形成するため、the
Altan Tepes周辺やWendar
Rangesのhumanoidに対して彼に加わる様に呼びかけた。そして今まで見た事のない様な大群を率いて、Broken
LandsからDarokin
Craterを目指した。彼の戦術は予期せぬ方向から進行する事によって、Broken
Landsとその隣国の国境付近の十分な護衛のいる道を避けるというものである。
無残で近寄りがたいクレーターからTharはDarokinの北へ、Glantriの南へと群れを解き放った。これらの群れはprincipalities南部に残った者に対して略奪を行った。Glantiran達は彼らの命と財産を守るために勇敢に戦ったが、国境を越えて流れ込んでくる無数のhumanoidを前に撤退した。
2、3週間の内に、Glantri CityはTharの率いる無数のhumanoidによって包囲された。首都には多くのwizardが存在したため、一斉攻撃や飢えに苦しむ事はなかった。しかしその一方で、Tharに率いられるhumanoidがあまりに多く、Glantriのwizard達は包囲を解く程十分な数のhumanoidを殺害する事ができなかった。そしてhumanoid達は周囲数マイルの地方都市を略奪してまわった。その地は完全に孤立した。
the Isle of Dawnにて、Alphatianは未だにRedstone
Castleを陥落する事ができずにいた。そこで彼らはその地に軍を留めつつ、増援部隊を遙か北方のNewkirkに進めて不意打ちを行った。強襲部隊はその都市の防衛軍を突破し、街を占領した。the
Eastern Thyatian
Legionの英雄的な活躍により、Thyatian軍の大部分を街から逃がし、故郷へ帰る船に乗せる事に成功した。その船はthe
Duchy of Tel Akbir内のDawnpointの町に上陸するものであった。
2週間の内にRedstone
Castleの司令官は自分達が絶望的な状況にある事を悟り、開場した。こうしてAlphatiaはthe
Isle of Dwanの中央部分であるWest PortageからRedstoneまでを手に入れた。
一方Thyatis本土では連敗に次ぐ連敗で、Thyatis軍の士気は消沈していた。
BiazzanのYlari forcesは、Thyatisが総ての軍を公国に向けているため、この地を保持し続けるのは不可能であると悟ったので、撤退を決意した。全軍はThyatis軍が気づく前にこっそりと撤退した。この時彼らはBiazzanの財産の多くを奪い去っていった。Thyatisの将軍達は何が起こったか悟ったが、その時にはYlariは山脈を越え、追跡不可能な地域まで撤退していた。
AlfheimではShadow Elf達による侵略が表立ってきた。Shadow
Elf達は地下のトンネルを抜けて国境内のコミュニティを攻撃し始めた。Canolbarthの森はAlfheim
elf達にとって忌まわしいものへと変化していった。彼らの運命を繋ぐ、生きているアーティファクト「Trees
of Life」も瀕死となった。
この変化はDarokinに住むAlfheimの仲間達に衝撃を与えた。Alfheimのelf達はTrees
of
Lifeを伐採し、他の国へ持って逃げた。半分は北のEthengarを抜けて北方にあるelfの王国であるWendarを目指した。残りの半分はKing
Stefanの許可と協力を得てKarameikosを目指した。
Shadow Elf達は完全に変化を遂げたCanolbarthの森を占領した。彼らは国家を、2000年以上前に彼らが作り出し、失われた伝説の都市名にちなんでAengmorと改名した。
Heldann Territoriesにおいて、突然の、そして迅速な疫病の蔓延により包囲されていたFreiburgの街は壊滅した。Khanは直ちにEthengarへの撤退を開始した。しかしもはや手遅れであった。そこにいた時に疫病は部隊に蔓延しており、住民にも広がっていた。
一方その頃、OchaleaやPearl IslandsのThyatis領は、千年前に奪われた独立自治権をする機会を得た。彼らはThyatisの独立を宣言すると共に、Thyatisの報復が無い事を祈りつつも陸軍を組織した。
Alfheimから南方に逃れたelf達はCruth mountains北部の氷の覆われた山麓部で過酷な冬の猛威に曝されていた。初冬に雪が降り、無慈悲な雪崩がKarameikosへの道を遮断してしまった。そのためelf達は岩場だらけのCruth mountainsと不快な場所へと変わったかつてのAlfheimとの間に閉じこめられてしまった。
AlphatiaとThyatis間の戦争で決定的ともいえる出来事が起こった。そして数週間経つまで何が起こったのかを完全に理解できる者は誰もいなかった。
the Isle of
Dawnにおける陸軍の進撃が止まり、本国における戦争反対派、とりわけShiye-Lawr
elves(Eiyndulの信奉者)が増え始めたので、Empress
Eriadnaはその優れた外交技術を行使した。
HelskirはThyatis側に立つ、the Isle of
Dawnの北端の独立都市であるが、これまでのところ十分な役割を果たしていなかった。
この冬、Helskirは突然のAlphatia軍による襲撃を受け、街は占領され、Thyatisの軍隊や船は捕らえられるか、強奪された。しかしこの時市民には一切手出しをしなかった。そしてThyatis軍を島の中央部に位置するAlphatia軍とで挟み撃ちにするべく、彼らは直ちに南に進軍した。数日の内にthe
Isle of
Dawnの北方部分から2/3(軍事的に重要な部分)をAlphatiaの支配下に置いた。
数日の後にHelskirを支配する強力な戦士であるEruul Zaarは、the
Isle of Dawnの北1/3を支配するKing of Helskirとして、Empress
Eriadnaから王位を戴冠した。その後間もなく、彼はAsteriela
Torionと結婚した。Asterielaはthe Emperor of
Thyatisの3番目の子供で、ティーンエイジャーの頃から人質としてAlphatiaに留まっていた(Empress
Eriadnaの息子であるTredorianが代わりの人質としてThyatisにいる)。
これはZaarにとって大成功といえるものであった。もしAlphatiaが戦争に勝てば、彼は新たに獲得した総てを保持する事ができ、もしThyatisが戦争に勝ったとしても、殆どあるいは総てを保持し続ける事ができるからである。驚くべき事は、この結婚が政略結婚というよりも恋愛結婚の様に見えた事である。
Five Shiresからの軍隊が、Darokin北部のクレーターを占領したhumanoid達からDarokinを守り、秩序を維持するためにDarokin軍に加わった。
the Heldann Territoriesで発生した疫病が更に激しさを増した。疫病による死者の数がHeldannの人口の20%に達したのである。疫病はさらにVestland、SoderfjordそしてYlaruam北部にまで広がっていった。
氷が溶ける事によって山の道が開け、Alfheimの多くのelf氏族達がKarameikosに到着した。King
Stefanは彼らに対し歓迎の意を示し、何処でも好きな場所に居住地を構える事ができると、彼らを差別しない事を宣言した。さらに、もしelf達が自分達の領土を望むのであれば、Thyatis国境付近の東方の森林地帯を割譲しても良いとも付け加えた。彼はその土地がCalarii
elvesの支配する地域の近くである事を知っていた。より重要なのはその土地がDymrak
Goblinsによって支配された土地であるという事である。言い換えれば、Stefanは彼らに領土を与えて幸せだったのである。彼らが敵対的なhumanoid達の支配する土地以外を居住地として選ばなければ。
殆どのAlfheim elfは東方の地を選んだ。
疫病がHeldann
TerritoriesからEthengarを抜けて西方へと広まっていった。そしてついにGlantriの東部にまで達した。これはEthengarian
Khanateから逃げ出してきた人々によって広まったのかもしれないし、Ethengarを通過したthe
Broken Landsのhumanoid達によってDarokin
Crater経由で広まったのかもしれない。
Glantrianは長い間clerical
magicの使用を禁止していた事を後悔した。彼らには薬以外に疫病と闘う手段がなかったのである。その結果として疫病は野火の如くGlantriに広まっていった。
Glantriの諸侯会議(the council of
Princes)の緊急議会で、彼らは一時的なcleric規制の緩和とDarokinにclericの助けを求める事を決定した。
徐々にHeldannのcleric達は疫病との戦いに勝利を収め始めた。大量のHeldannic KnightsとOstland連合軍がthe Ethengar Khanatesに侵入し、Tromsoにおいて、彼らの領地を襲撃した軍隊の幾つかを圧倒した。
Alphatia海軍はthe Isle of
Dawnの北端を航海し、本土への接近を試みていた。一方Tel
Akbir公爵領のDawnpointに停泊していたThyatis海軍はそれを妨害するために北へ向かった。その中にはThyatis軍の精鋭飛行部隊であるRetebius
Air Fleetが含まれていた。
長年の戦争により、以前からのValeriasの努力は殆ど効力を失い始めた。堕落した司令官達は処刑されるか、戦闘で命を落とすかしていなくなっていっき、まともな部隊が召集されてzzonga
fruitの影響が失われてきたためである。その結果として両海軍の激突は大規模なものとなった。両海軍は互いに大打撃を与えた。the
Retebius Air FleetとAlphatian sky-ship
navyは共にこの激戦で多くの英雄達を失った。
この戦闘はThyatisの勝利といえるものとなった。Alphatianは結局Thyatis本土への上陸を果たせなかったのである。結局Alphatia軍はthe
Isle of Dawnに撤退した。
Ethengarian達が北方にあるWendar目指し、彼らの領土を通過するAlfheimのelf達を攻撃した。
elf達はEthengarの領土の外まで追われ、Wendarへは進めずGlantriの山脈に逃れる羽目となった。そして襲撃で多くの人員を失った。更にこの短期間のEthengarianとの接触により、elf達はKhanateを通して広まっている疫病に感染してしまったのであった。
the Immortal Rad(またの名をGlantriの公子Etienne d'Ambreville)は窮地に立たされていた。Thyatis軍が一時的にAlphatia軍を追い返したとはいえ、Thyatisが戦争に敗れ、Glantriへの道が開ける事は時間の問題だとわかっていたからである。
RathanosとRafielの助けを得て、Radianceを利用したDoomsday
Weaponの作成に取りかかった。彼の目的はMystara上の望む場所からmagicを吸収する装置を作り出し、現在の所Glantriより優れた魔法技術を持つAlphatiaの魔法を中和する事であった。
Glantrianの忍耐の時がついに去った。疫病から立ち直る事で、軍を召集して、Tharのhumanoid達をGlantriから追い出し、Craterまで追い込む事ができるようになったのである。
Tharの軍隊は略奪が容易そうなDarokinに進路を向けた。しかし彼らは判断を誤った。
Darokinの同盟軍とFive
Shiresの軍隊、それからKarameikosからの増援軍によってTharの軍隊は襲撃され、the
Great Craterから遠くないDarokin北部に釘付けにされたのである。Tharの軍隊は、北にも南にも進路はなく、この冬の厳しさに死を覚悟しなければならない事を悟った。
Alphatia海軍は未だ強精を誇るThyatis海軍との戦闘を避ける事にした。彼らは北方のYlaruamにあるCubiaの町から上陸する事にしたのである。この町はThyatis国境から船で2日の所にあった。局地的な抵抗はあったものの、多数のAlphatia軍が上陸を果たし、南方へ進軍を開始した。
同時期、Alphatia海軍の一部隊がDawnpointの町の周辺部に襲撃を試みた。これによりThyatis軍はDawnpointの町に大規模な襲撃がある前触れであると考えた。これはもちろんThyatis軍の関心を北方に上陸したAlphatia軍からそらすための策略であった。